16

燕さんが俺の全てに優しく触れる。

舌の温度と、少し荒い興奮を伝えてくる息遣い。

良い香りの香水がシャワーで落ちきっていない。

肌から直接香り立つせいか、それは随分と俺を刺激してしまう。

「つ…燕さんっ」

「怖いか?」

俺は顔を左右に振る。

「俺…俺…」

「…圭介の事、考えてる?」

俺はハッとして、燕さんの両頬を包んだ。

「考えてないっ!!燕さんの事しかっ!考えてないからっ!!」

真っ直ぐ見上げ、ぶつかる瞳に言葉を投げつける。

「こんな事してるのに…そんな酷い事言わないでよ…」

燕さんは俺の唇にキスをする。

「俺はね、本妻の子じゃない」

「え…」

燕さんの唇が首筋にいくつもキスマークをつける。まるで悪ふざけするみたいだ。

合間にポツリポツリと、自分の事を話し始めた。

胸元に辿り着いた唇が小さな膨らみをカリッと甘噛みしてくる。左の指先は反対側を摘んだり撫でたり…。

「俺、妾の子なんだよ。腹違いの弟が居るんだ。ソイツの事は…あんまり好きじゃない。」

左足の膝裏に手が掛かる。

グイと引き上げられ、太ももを優しく撫でながら、中心で高ぶる熱に指が這う。

「んっ!…ぁ…」

「弟は光で、俺は闇。少年院に入って戻ったら母さんは抗争の流れ弾で死んでた。庵司を庇ってね」

燕さんは俺の熱にかけた手に向けて唾液を垂らす。

口元から糸を引くように指先に落ちて絡む。

それをグチュッと馴染ませながら、先端を扱き始めた。

「ゔぅっ!んっ!はぁあっ!それっヤバっい!イクっ」

ピタっと手の動きが止まる。

反対の膝裏も持ち上げられ、開いた膝にキスをする燕さん。

「母さんは庵司も可愛がってた。俺も親父に贔屓される弟より庵司が可愛かった。」

「ハァ…ハァっ燕さんっ」

見上げた燕さんは俺の口に優しく指を差し込んだ。

上顎をツツッとなぞったり、舌を撫でたりする。合間に彼も唇を寄せて、二人で燕さんの指先をしゃぶるように舐めた。 

胸元が重なる体勢から燕さんは俺の片足の膝裏を押し上げ身体を離した。

途端に唾液に塗れた指先が後ろを撫でる。

「あっ!…」

「自分でする時は?指?おもちゃ?」

「し、しない」

フイと腕で顔を隠す。

ツプっと長い指が入って来る。

「医者に嘘はいけないなぁ…」

燕さんの指は簡単に良い場所を探し当てる。

「ココ…ほら…」

ビクビクッと身体が揺れて、触れてもない前が白濁を吐き出した。

「ぁあっ!んぅっ!ハァ、ハァっ…」

「天が一人でやってんの想像したら、俺イキそうだわ…エッロいね」

「ハァ…このっスケベ」

「天、そんな目で睨まないよ…煽ってんの?」

グイッと腕を引かれ起こされる。

燕さんの足の間に引っ張られ、天を突く熱を見せつけてくる。

「フェラ…やった事ある?」

「…あるわけ…ないだろ…あんたが全部初めてなんだ」

「おいで。」

満足そうにニヤリと笑うと、髪をかきあげ、後手を突いて俺にソレを差し出した。

四つん這いになり、盛った熱に指を絡める。

「舌出して…そう…絡めて…ハハッ…上手いじゃん、歯、立てんなよ…」

燕さんはゆっくり俺の頰を撫でる。髪を撫でる。

口の中で、更に大きくなる燕さんの…。

夢中でしゃぶりついた。

コレは…愛おしさ…。

「庵司を守ろうと思った。母さんの形見だと勘違いしたのかもな…とにかく俺は庵司に甘かった…甘やかして…言う事を聞いてやりすぎた」

グチュグチュっと頭を上下させる俺の後頭部を掴んだ燕さんは、喉奥に熱を深く送り込んで来た。

嘔吐しそうになる感覚が喉を締める。

「ハハッお前…喉も才能あるわ…」

ズルっと熱を引き抜かれ息を整えていると顎を掬われる。

「どこに出そうか」

試すような燕さんの視線。

俺はそう言われ、迷わず熱を咥え込んだ。

唇で数回扱くと、口内に雄の味がジンワリ広がった。

口から引き抜かれた熱が纏った白濁。

燕さんは自身の熱からソレを掬いとり、ゆっくり俺の口に差し込んだ。

「可愛いなぁ…綺麗にして」

俺は言われるがままにぺろぺろと掃除する。

「天…俺が…一番だよな?」

上から降って来る震える声。

こんなに弱い部分を見せている自分に、気付いてないんだ。

無性にこの人が可愛くてたまらなくなる。

初めての感覚だった。

「一番だよ…燕さんが…好き」

燕さんは乱暴に俺の身体をベッドに押し倒した。

さっき解されたソコに、ローションらしき冷たさを感じたのも束の間、熱い熱が俺を真っ直ぐ貫いた。

「ぅゔっ…ぁあっ!はぁっ!くっ!…」

奥まで押し込まれ、ギュッと身体を抱きしめられる。

耳元で燕さんが囁いた。

「脱処女…ハハ…」

「もうちょっと、素敵な…事…言えないんですか!」

腹の中が今まで感じた事のない満たされ方をしている。

正直、怖かった。

腰を動かされたら…俺はまたすぐイッてしまう気がしていたからだ。

「素敵?…あぁ…おまえん中…すげぇイイ」

耳元で

言葉が暴力を振るう。

「ぅっぁあっ…っっ!」

燕さんの声でイッてしまう。

背筋がゾクゾクと何かを染めて行く。

お互いの腹がベチャベチャと濡れて、燕さんはソレに構わず俺を抱きしめ腰を振った。

激しく

優しく

いやらしいにも程がある色気の塊。

飲み込まれて行く。

燕さんは闇。

中から燕さんの迸りが垂れ流れる。

ヒクヒクと痙攣が止まない。

こんなの、ただの女だ。

自分の性別を失う。

それくらいに溺れたセックスだった。

カチンとジッポの音。

すぐに俺を抱いて、一息吐き出す。

「少年院から出て来た時、俺、榊に殴られたんだ。もうさ、ボッコボコよ。」

「榊さんに…」

「俺が少年院に入った理由は腹違いの弟が不良に絡まれてんのをたまたま助けたからなんだけど、相手殴ってるうちに、殴ってるのが弟に見えて来て…憎かったんだよ。刺しちまった。あの時、榊が止めたから相手の急所外して…何とかなったけど…俺、人殺しになってた。だけど、弟はソレに気づいてたんだ。自分に向けられた狂気だってね。だから俺を嵌めた。正当防衛が成立しないよう、アイツは警察に嘘をついて…刑期は伸びた。もっと早く出てれば、あの人は庵司を庇って死んだりしなかったし、庵司も…自分を責めずにもっとまともに生きられた。歯車は俺が…狂わせたんだよ。榊は、昔から兄貴肌でね。出てきてすぐ、ボコボコにされて、もっと上手く立ち回れって泣きながら説教さ。」

「弟さんは」

「奴は今も光だよ。言ったろ。有名大学病院の院長の座を狙ってんじゃないかな。会ってないから。親父にそう言われてる。…弟の未来を潰すような事はしてくれるなとね」

重なる…汚れた感情。

異母兄弟への嫌悪や、憎しみ…

自分の育った環境への不満…

もっと違っていれば

もっと愛されていれば

もっと誇りに感じてくれたなら…

何か変わっていたかもしれないという…

淡い期待

「燕さん…俺の事…好き?」

髪を撫でてくれる燕さんは微笑んで言った。

「大事だよ」

あぁ、やっぱりそうだ。

この人は

俺の欲しい言葉を

ちゃんと知っている。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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