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『あ、おはようございます』

俺は相葉くんの腕の中で目が覚めた。

「死んでても気絶すんのな…」

感動無く無表情にムクっと起き上がりボリボリ頭を掻く。

『身体が生きていた時の気絶とはまた少し異なるんですけどねぇ』

穏やかに語る相葉くんに溜息を返す。

「ご丁寧にどーも」

『いえいえ、どーいたしまして。』

相葉くんはペコリと頭を下げた。

地味に嫌味が通じないタイプらしい。

俺も焼きが回ったもんだ。高校生相手に何をムキに…。

『ところで、下界の身体がどうなるか観察なさいますか?』

「そ、そう言えばここどこ?っヒィっっ!」

俺は立ち上がって辺りを見渡し腰を抜かした。

そこは俗に言う空の上…つーか雲の上!

真下はビュービューと強い風が吹いていて、視界的には飛行機の窓から地上を見る感じだ。

尻もちをついた俺の身体を後ろから抱えてくれる相葉くん。

『大丈夫ですか?』

「だっ!大丈夫なわけっ!ハァ…落ち着こう…お、俺は死んだ。で?そっから天使の相葉くんに会った!その後は?どうすんだよ」

『えぇ、ですから…下で使っていた身体の結末は…見たいですか?』

「し、下で使ってた身体?じゃあ今喋ってる俺は?」

『魂です。』

相葉くんはまたニッコリと微笑んだ。

透過した身体は風に飛んでいきそうに頼りない。

「…魂ね…あ、そう。はいはい…いいよ。見ない。地獄でも天国でも連れてけよ」

後ろから俺を支えていた相葉くんが苦笑いした。

『すみません。あなたは地獄にも天国にもいけません。』

その言葉に固まってしまう。

ゆっくり振り返ると、相葉くんは俺の手を取り、信じられない大きさの翼を広げて飛び上がった。

「ぅわぁぁっ!!ちょおーっっとぉーっ!怖い怖い怖いよぉーっ!!」

『大丈夫!絶対落としませんから!俺を信じてください!』

手を繋いでいた状態からグイと引き上げられ、相葉くんの胸に抱かれる。

俺を信じてくださいってキュンかよ!じゃねぇーわっ!!何なんだよもぉ~っ!

相葉くんの胸に抱かれ、どんどん上に舞い上がり、突き抜けた雲の上に、まるで宮殿のような建物が見える。

相葉くんはそこへ向けスピードをあげてまっすぐ飛び込んで行った。

「あっ!あっ!相葉くんっ!壁っ!壁ぇーっっ!!!」

あまりのスピードに目を閉じて胸元にギュッと抱きついた。

ぶつかると思っていた壁には当たらず終い。

気づけば宮殿の中だった。

相葉くんがゆっくり俺を床に下ろす。

ヨレヨレのカッターシャツにスラックスのまま立ち上がり辺りを見渡した。

天井の高さが掴めない。

高いんだか低いんだか…

どこからともなく耳が痛いような高音の鐘が鳴り響き目の前に扉が現れた。

「んだよもぅ~」

ちびってしまいそうに不気味で怖い。

今まで感じた事のないような恐怖を感じながら目の前の光景に目を向けた。

何とも言えない不気味な椅子に座った小柄な男がニヤリと笑う。

ゾクっと悪寒を感じた時には背中側が重く感じ、ヨロめいた。

『大丈夫ですか?最初は慣れるまで少し重いですけど』

相葉くんが前に周り俺の両手を取り引いてくれる。

俺は言われている意味が分からないまま、後ろを振り返って

絶句した。

生えてる!!

中学に入った頃、下の毛が生え始めた時の衝撃を軽く超えてきた視界の先の現実!!

背中に!翼が!

生えてる!!

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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